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右側

2018/ 08/ 16
                 

俺が生まれる前の親父の話。
家では犬を飼っていたんだけど、散歩は親父の仕事で、
毎日決った時間、決ったルートを通る毎日の繰り返しだった
そうだ。 犬は決って親父の左側を歩き、決して右側を歩く
事はしなかったんだそうだ。 これは親父が躾けたわけじゃなく
いつの間にかそうなっていたらしい。 それが不思議で、無理に
回り込んで犬が右側に来るようにしてみたらしいが、ことごとく
左側に戻ってくる。 それがかわいくて、それ以降はずっと左側。

ところがある日、犬が右側に。 親父も驚いたし、違和感もあるので、
何度か左にしてみたが、やはり右側へ。 不思議に思ったけど散歩へ
出かけ、最初の路地を右へ曲がろうとした時、右から来た車に
犬がはねられ即死。 親父は咄嗟に俺の身代りになる為に右側に
きたんだと思ったそうだ。 口から血を流して死んでる犬を、世間の目も
はばからず、抱きながら号泣したそうだ。 子供の頃聞いた話だが、
聞いた時は俺も大泣きした覚えがある。 それ以降我が家には犬がいなかった
事は一度も無い。 何か守られてるというか、優しくなれると言うか、
動物は不思議だよな。




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