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爺さんの戒め

2018/ 09/ 09
                 



昔、某都立高校山岳部に所属していたときの話

山行のとき年に何回か顧問の先生とは別に○○先生が一緒に来てくれた
○○先生は近くの私立高校の山岳部顧問
うちの顧問とはプライベートでも一緒に冬山を登る仲だった
○○先生の高校は山岳部員が少ないのでうちの高校にアドバイザーとして同行してもらっていたのだ

ある日、同じ山岳部のやつが顔色変えて教室に飛び込んできた
「おい!○○先生が死んだぞ!」
きくと、先生は自分の高校の山行で下山途中に滑落死したという
信じられなかった。経験豊富なあの先生が・・・何かの間違いではと疑った
葬儀に行っても実感が湧かなかった

何日かしてうちの顧問の先生が話してくれた事故のこと

その事故は生徒の引率中に起きた
道は緩やかな下り坂、右が壁で左は崖の細い一本道。霧が濃かったという
○○先生は生徒たちが下山する姿を正面からカメラで収めようと
小走りで先回りしカメラを用意した・・・と思われる

その後、生徒が霧の中にかすかな悲鳴のようなものを聞いた
そしてその悲鳴のようなものを最後に先生の姿が見当たらなくなってしまった・・・
まさか・・・そんな・・・
おそらくこの道の先にカメラ片手に笑って待ってる先生が居るはず・・・
だがそんな生徒の期待とは裏腹に、一行はついに下山してしまった
駅まで行って先生がいないことを確認し
生徒たちは地元の警察に行ったそうだ

○○先生が奥多摩の某山で滑落死した
じつは新入部員が数名入り、やっと来年度からインターハイに出れると
喜んでいた矢先の事故だったと後から聞いた

うちの顧問は○○先生とはプライベートでも一緒に山を登るほどの中だったので
そのときの落ち込みようといったら無かった
○○先生のご遺体は地元の警察だか消防だかが発見したが
すぐ引き上げられるような場所ではなかったので
後日、都岳連(高体連だったかも)と地元の人たちとで
共同で引き揚げ作業をすることとなった
だがうちの顧問は、それがしっくりこない
山で分かり合えた一番の親友、
どうしても自分の手で引き上げたいという思いがこみ上げてきた
そして、決定した前の日に単独で引き上げる計画まで立てた
だが直前になって他校の先生に止めるよう促され
結局、予定通りの日程で引き上げに行った

その引き止めた先生曰く
「こんなときに一人で山に登るなんて自殺行為だ
あんなことがあったばかりのや山なんだ
先生、絶対呼ばれちまう
悪いことは言わないから私らと一緒に行きましょう」
とのことだった



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